Microsoft SQL Server 2005 Integration Services (SSIS) には、Integration Services パッケージの作成と管理に使用する新しいユーザー インターフェイス、SSIS デザイナが導入されています。
SSIS デザイナは Business Intelligence Development Studio でホストされています。Business Intelligence Development Studio は、キューブ、データ ソース、レポート、および Integration Services パッケージなどのビジネス インテリジェンス ソリューションを開発するための統合環境です。Business Intelligence Development Studio には、ソリューションの個々の部分を開発するために、Analysis Services、Integration Services、Reporting Services というプロジェクトの種類が用意されています。
Business Intelligence Development Studio では、プロジェクトをソリューションのコンテキストで開発します。ソリューションとは、サーバーに依存しないコンテナであり、これには Analysis Services プロジェクトや Reporting Services プロジェクトに加えて、複数の Integration Services プロジェクトを含めることができます。
Integration Services プロジェクトには、SSIS パッケージ用のテンプレートと、パッケージで使用するデータ ソースおよびデータ ソース ビュー オブジェクトが用意されています。
Business Intelligence Development Studio では、以下のウィンドウで Integration Services プロジェクトと SSIS パッケージをサポートしています。
- ツールボックス ウィンドウ。パッケージの制御フローとデータ フローを作成するために使用できる要素が表示されます。
- ソリューション エクスプローラ。Integration Services プロジェクト コンポーネントの管理に使用します。
- プロパティ ウィンドウ。SSIS パッケージと、それに含まれるオブジェクトに関して、プロパティの表示や変更に使用します。
- デバッグ ウィンドウ。パッケージのワークフローのデバッグや、変数の値の表示に使用します。
- 出力ウィンドウ。パッケージの実行時に、進行状況が表示されます。
詳細については、「新しい Business Intelligence Development Studio」と「SQL Server Management Studio および Business Intelligence Development Studio」を参照してください。
SSIS デザイナ
SSIS デザイナは、SSIS パッケージの作成と管理に使用できるグラフィック ツールのセットです。SSIS デザイナでは、SSIS オブジェクト モデルをグラフィカルに実装しているので、さまざまな機能を実行するパッケージを作成できます。
SSIS デザイナは、3 つのデザイン画面と、パッケージ エクスプローラで構成されています。
- [制御フロー] タブにある、制御フローのデザイン画面。実行する個々のタスクや、タスク間のリンクに設定する優先順位制約、およびパッケージ内で繰り返されるワークフローを定義するループ構造から成るパッケージ機能の作成に使用します。
- [データ フロー] タブにある、データ フローのデザイン画面。複数の異種データ ソースからのデータの抽出や、データ変換、および変換先データ ソースへのデータの読み込みを行うパッケージ機能の作成に使用します。
- [イベント ハンドラ] タブにある、イベント ハンドラのデザイン画面。タスク、コンテナ、パッケージによって実行時に発生するイベントに応答するワークフローの作成に使用します。
- [パッケージ エクスプローラ] タブ。パッケージに含まれるオブジェクトの一覧が表示され、それらのパッケージ オブジェクトの階層構造も表示されます。
実行時には、[進行状況] タブも SSIS デザイナに表示されます。このタブには、パッケージ内のタスクの開始時刻と終了時刻など、実行中のパッケージに関する情報が表示されます。パッケージの実行が停止すると、別のパッケージを実行するか、パッケージを再実行するまで、実行時の情報が [実行結果] タブに引き続き表示されます。
SSIS パッケージでは、接続を使用してファイルやデータベースなどのデータ ソースに接続します。SSIS デザイナには、接続の追加と管理に使用する [接続] トレイがあります。
さらに、SSIS にはさまざまなダイアログ ボックスが用意されています。これらを使用すれば、ログ記録や構成などのパッケージ機能を追加することや、デジタル署名によってパッケージをセキュリティで保護すること、パッケージによって実行時にコピーおよび変更されるデータを表示することができます。ダイアログ ボックスは、Business Intelligence Development Studio および SSIS デザイナの [SSIS] メニューで使用できます。
詳細については、「SSIS デザイナ」と「SSIS デザイナでのパッケージの作成」を参照してください。
Integration Services ウィザード
Integration Services には、SSIS パッケージのテスト環境および実稼働環境への配置や、SQL Server 2000 データ変換サービス (DTS) パッケージの SQL Server 2000 形式から SQL Server 2005 形式への移行など、複雑なタスクを実現するためのウィザードのセットが用意されています。
Integration Services には、以下のウィザードが含まれています。
- SQL Server インポートおよびエクスポート ウィザード。変換元から変換先へデータをコピーするパッケージを作成するために使用します。詳細については、「SQL Server インポートおよびエクスポート ウィザードを使用してパッケージを作成する方法」を参照してください。
- パッケージ構成ウィザード。パッケージと共に配置できる構成を作成するために使用します。詳細については、「パッケージの構成の作成」を参照してください。
- パッケージ インストール ウィザード。パッケージの配置や、パッケージの構成の更新に使用します。詳細については、「Integration Services パッケージの配置」を参照してください。
- パッケージ移行ウィザード。SQL Server 2000 DTS パッケージを SQL Server 2005 Integration Services SSIS パッケージに移行するときに使用します。詳細については、「データ変換サービス パッケージの移行」を参照してください。
詳細については、「Integration Services ウィザード」を参照してください。